出張準備のチョットしたヒント
海外出張では仕事に専念するために、仕事以外のストレスはなるべく軽減したいものです。出発前の準備段階の工夫で低減できるストレスがあります。出発前の準備段階でのチョットしたヒントを紹介します。
- 1~2週間程度の海外出張を予定している方
- 海外観光旅行の経験はあるが、海外出張の経験が少ない方
- 仕事以外のストレス低減のためのヒントを探している方
スーツ(背広)の持参方法と移動中の服装
出発空港で預けたスーツケースが、必ず目的空港で受け取れるとはかぎりません。受け取れない原因の大半は、荷物が誤った飛行機に積み込まれてしまう事であり、海外での発生確率は荷物200個から300個に1個の割合だと聞いたことがあります。
到着空港で預けた荷物が受け取れなくても、多くの場合は2~3日以内には目的空港に到着するようです(Delayed Baggage)。しかし、最悪の場合はエアラインが時間をかけて調査してもスーツケースの所在不明で「紛失」(Lost Baggage)となる場合もあるようです。
海外出張における荷物の遅延や紛失は仕事に大きな支障を与えますので、上述の発生確率は無視できません。この対策として、仕事で使う書類と、スーツ、ネクタイ1本、1日分のシャツ等の仕事着は必ず機内に持ち込みます。
満席のエコノミークラスですと、機内に持ち込んだスーツ類は座席頭上のオーバーヘッドコンパートメントに他の乗客の荷物といっしょにギュッと押し込むことになるので、この場合でも皺にならないようにスーツのパッキングを工夫しましょう。
スーツを着て飛行機に搭乗すれば、そのぶん荷物は少なくなります。しかし、特に長距離路線で機内で十分に休息したり睡眠をとる場合は、スーツではなくゆったりした服装で搭乗する事をお勧めします。目的空港での入国審査官の心象を悪くしないように、あまりラフな服装はお勧めしません。ビジネスカジュアル程度が適当ですね。
ここでは、日本からある国に国際線で移動し、その国の国内線に乗り換えて目的地に到着するとします。帰国時は往路の逆ルートで移動する場合、出張期間中に合計4回飛行機に搭乗します。
空港で預けたスーツケースの到着空港での受取りトラブルが発生する確率を、国内、海外共通で、搭乗1回あたり(1/300)とします。
この時、出張期間を通して少なくとも1回のスーツケース受取りトラブルに遭遇する確率Pを計算します。
1回の搭乗で受取りトラブルに遭遇しない確率は(299/300)なので、求める確率Pは、
P=1 -(299/300)^4
= 0.0132= 1.32%
約1.3%の確率で、出張期間中に少なくとも1回のスーツケース受取りトラブルに遭遇することになります。無視できない確率ですよね。受取りトラブルを想定した出張準備が必要ですね。
スーツケースにステッカーを貼って特徴を出す
空港の荷物受取所(Baggage Claim)では、スーツケースの荷物番号票(Baggage Tag)と、スーツケースの引取り人が所有している荷物番号票(Baggage Claim Tag)との照合がありません。つまり、正しいスーツケースを引き取ったかどうかを第三者が確認するチェックポイントがありません。
このため、誰かがスーツケースを間違えて受け取ったり、故意に盗んだりする可能性があります。この対策として、スーツケースにステッカー等を貼って特徴を出しておく事も有効です。
ただし、ステッカーは、あなたの国籍や名前がわからない内容にします。名前がわかると、不審者からあなたの名前で声をかけられる可能性が上がります。また、世界中の全ての方が日本人に好感を持っているとは限りません。
スーツケースの写真をスマホに保管する
不幸にして、目的空港の荷物受取所(Baggage Claim)のベルトコンベア(Carousell)に自分のスーツケースが出てこない場合は、荷物受取所にある申告カウンターで係員に事情を説明します。
この際、行方不明となっているスーツケースの特徴や大きさを申告する必要がありますので、詳しく申告できるようにスーツケースの外観は事前に写真を撮ってスマホに入れておきましょう。またスーツケースの寸法を測ってスマホのメモに入れておきましょう。
到着直後の孤独感,疎外感の低減
目的空港に着陸して一人で飛行機を降りた時、その国の匂いを感じます。そして入国審査場(Immigration)にむけて空港内を歩いていると、周りは外国人と外国語ばかりだと実感します。この時、孤独感や疎外感(Away感)を感じる事があります。これからは全てを自分で対処しなければならないという緊張感の一種かもしれません。
もし、あなたが孤独感を感じても、それはあなただけでは無いので安心してください。
この感覚は翌日にはほとんど解消していますので大きなストレスでは無いと思いますが、このストレスを少しでも軽くする方法を見つけました。
数多くの飛行機の搭乗記が動画サイトにアップされています。この中から、飛行機を降りてからタクシーや電車に乗るまでの空港内の移動の様子を紹介した動画を見ておくのです。(ただし、税関・入国審査・検疫(CIQ)は撮影禁止ですから、この部分の動画はありません。)
降機から空港を出るまでの様子が記憶にあると、孤独感(Away感)は軽くなりました。
硬水の飲料水に慣れておく
私は海外では水道水は飲まずにペットボトルの水を買って飲むようにしています。念のためです。日本では、ほとんどが軟水なので、事前にその国で販売されている軟水の商品名を調べておきます。
しかし国によっては販売されているペットボトルの水は大半が硬水です。小さな売店では軟水のペットボトルは販売していないこともあります。 この場合は硬水を買って飲むしかありません。私は硬水の味に違和感を覚えた事があります。
水の味の違和感も小さなストレスになりますので対策しておきましょう。日本で事前に硬水のペットボトルの水を飲んで、硬水の味に慣れておく方法があります。水の味に神経質な方には有効な対策だと思います。 硬水に慣れておけば現地でのペットボトルの水の調達は楽になります。
携帯用おしり洗浄器
私は海外のトイレで温水洗浄便座を見たことがありません。温水洗浄便座が広く普及しているのは日本だけだと考えて良いと思います。
温水洗浄便座が無いとなると、これがストレスに感じるのですよね。
この対策として携帯用のおしり洗浄機を日本で購入して持参する事をお勧めします。便座を温める事はできませんが、水を噴射しておしりを洗うことができますので思った以上に快適です。手動式、電動式といろいろなタイプが市販されています。私は電動式のおしり洗浄機を持参します。
ただし噴射水を温める機能はありません。温水を噴射させたい方は部屋のポットであたためたお湯を使う等の工夫が必要です。使用できるお湯の温度に上限がありますので、製品の説明書をよく読んでください。
水の噴射角度やトイレ中での洗浄水の補給など、使用には多少のコツが必要ですので、出発前にご自宅で練習しておく事をお勧めします。
噴射水はおしりの粘膜に当たるので、現地で使用する水の清潔度に注意してください。世界中の水道水の品質が日本と同じだと思ってはいけません。携帯用おしり洗浄機のノズルや水タンク内の清潔維持にも留意が必要です。
外務省の「たびレジ」に登録
短期間の海外出張の場合は、外務省の「たびレジ」に登録しておきましょう。現地の安全情報等をメールで受け取ることができます。(登録の詳細はこちらです。外務省 海外安全ホームページ 海外出張/ビジネス のページです。)