電検三種(4) アラ還暦・(元)電子技術者の独学勉強方法(法規編)

電検三種試験
画像はイメージです。

電検三種「法規」の試験概要調査

経験のない分野の「法規」に関する独学試験勉強ですので、まず最初に試験の全体像と概要を直近3年分の過去問を用いて調査しました。

  • A問題(暗記系主体) 10問×6点 = 60点満点
  • B問題(計算系主体) 2問×6点 + 4問×7点 =40点満点

(注)B問題は大問数3問。各大問は小問2つを有するので、事実上の問題数は6問です。また、B問題の内1問程度は暗記系の設問の場合もありました。

「法規」の試験ですが計算問題の割合が大きい事が分かりました。

電検三種「法規」の独学勉強方

初めての分野なので、ほぼ全てを理解・記憶する必要がありました。私は主に参考書とYouTubeの動画を利用して勉強しました。使用した参考書は暗記系対策と計算系対策共通で、「みんなが欲しかった 電検三種 法規の教科書&問題集 (TAC出版)」です。ただし、暗記系項目と計算系項目とでは勉強法を変えました。

現在、電気事業は大きく変化していると思います。たとえば近年は電力小売り会社(新電力)が多数設立されていますし、太陽光発電所の増加に伴う規制の変更等がマスコミで報道されています。これらの状況変化に応じて今後も電気事業に関連する法律が改訂されていくと思いますので、参考書は最新版を用いる事をお勧めします。

暗記系項目の勉強手順

暗記系項目は法律の内容を問われるので、本来であれば法律をすべて読むべきだと思いますが、量が多いのでこれは断念し、試験用に要点をまとめてある上述の参考書を用いて、試験合格に的を絞って勉強しました。

私の「法規 暗記系項目」勉強法は以下のとおりです。

  • 参考書の「電気事業法」を熟読して暗記
  • 参考書の「その他の電気関係法規」を通読
  • 参考書の「電気設備の技術基準・解釈」を通読

独学STEP1. 参考書の「電気事業法」を暗記

「電気事業法」は、電検三種試験の大元になる法律ですので重要だと思い、参考書の内容を完全に覚えました。ノートアプリに要点を記入して、暗記に活用しました。

独学STEP.2 . 参考書の「その他の電気関係法規」を通読

頭のメモリが満杯になりそうだったので、比較的出題頻度が少ないこの項目は、参考書を通読して概要を把握するに留めました。

独学STEP3. 参考書の「電気設備の技術基準・解釈」を通読

ネットで電気設備の技術基準を調べたところ以下の3種の省令や規定類を見つけました。

  • 電気設備に関する技術基準を定める省令
  • 電気設備の技術基準の解釈
  • 電気設備の技術基準の解釈の解説

(参考)電気設備の細かい点まで詳しく規定されている事がわかりました。

試験日が近づいてきており、上記全てを読み込んで暗記する時間がありませんので、この項目についても試験に的を絞って参考書で勉強しました。

しかし、参考書でもこの項目は記載量が多いです。私は「規定を設けた理由」を想像しながら規定類を頭に入れていきましたが、規定されている数値をすべて暗記することは諦めました。(重要な数値については、この段階では無く、後述する計算問題の勉強で覚えていきました)。送電配電に関しては実施例が街中にありますので、これらも見ながら規定内容を理解していきました。

計算系項目の勉強手順

上述の通り、暗記系項目は十分に暗記できておらず高得点が期待できないので、その代わりに計算系項目での高得点を目指して勉強しました。私の「法規 計算系項目」勉強方法は次のとおりです。

  • 参考書の(計算)の項目を熟読して基本を理解
  • 動画サイトの電検三種受験動画で計算問題の解き方を勉強する。
  • 動画サイトで使用した問題を2周解く

独学STEP4. 参考書で計算問題回答に必要な基本を理解する

上述の参考書は「教科書編」と「問題集」に分かれています。まず教科書編の計算問題の項(電気設備技術基準の計算、電気設備管理)を熟読して内容を理解していきます。定義式(例:需要率、変圧器の効率)がいくつかありますが、これを忘れる問題回答できなくなるので、ノートアプリに記入してしっかり暗記していきました。

独学STEP5. 動画サイトで解き方を勉強する

YouTubeの動画を利用した勉強方法は「理論」の勉強方法と同じです(理論のページはこちらをクリック)。この動画集において「法規計算」の動画をすべて視聴し、動画を見ながら自分でも問題を解いていきます。この際、問題の解き方を理解すると同時に、必要な「法規制上の数値(例:風圧荷重、試験電圧)」についても暗記します。

独学STEP6. 動画サイトで使用した問題を2周解く

上記動画で使用した全ての問題を2周解いて解答方法の理解を深めました。2週目では全問正解できていました。

「法規」科目の国家試験結果

60点以上で合格のところ、自己採点で70点でした(A問題:36点、B問題:34点)。

留意いただきたい事項

基礎知識や適した勉強方法には個人差があると思います。皆様が勉強方法を決める際は、ご自身の責任と判断で行っていただくようにお願いいたします。