電検三種(5) アラ還暦・(元)電子技術者の独学勉強方法(機械編)

電検三種試験
写真はイメージです。

不合格リスクが大きい勉強方法です

他の3科目の勉強に時間を取られて、「機械」の勉強時間が十分確保できなくなってしまいました(試験勉強の時期と内容は総合編であるこちらをクリック)。しかし棄権はしたくないので「短時間で最善を尽くす」と考えて採用した勉強方法です。

これからご紹介する勉強方法は、試験不合格となるリスクが高かったと思います。ご同輩の皆様は、このような勉強方法ではなく、十分に時間をかけた勉強方法を採用していただきたいと思います。

電検三種「機械」の出題内容調査

最初に試験の全体像と出題内容を直近数年分の過去問を用いて調査しました。

  • 電動機、発電機、変圧器の問題  約50点満点
  • 電子回路、制御、デジタル系の問題 約40点満点
  • その他(照明、電池等)の問題  約10点満点

(元)電子回路設計者の得意分野

電子回路、制御、情報処理の問題は現在の保有知識で大部分が回答可能なので勉強は省略可能だと思いました。これら3項目の出題例を以下に示します。アラ還暦(元)電子回路設計者であるご同輩の方々も、おそらく「これは昔の知識で回答可能だ」と、同じ思いを持たれる事と思います。

毎年同じ分野から出題されるとは限りませんのご注意ください。

電子回路の出題例

令和2年 機械 問16です。この年はインバーター回路が出題されました。インバーター回路自体の設計経験はありませんが、回路図における各素子の動作を追っていけば回答可能でした。

制御の出題例

令和2年 機械 問17が出題例です。この年は伝達関数が出題されました。制御ループを電子回路設計は数多く経験していたのが幸いしました。

デジタル系の出題例

平成30年 機械 問14が出題例です。この年は論理回路でした。汎用TTLロジックICを用いた回路設計も多く経験していましたので、回答可能でした。

独学勉強範囲の絞りこみ

残り少ない勉強時間は得点配分が高いが基礎知識が薄い、電動機、発電機、変圧器の分野に絞り込む事にしました。これらの分野の問題は計算問題が多く出題されていますが、基礎を理解していないと試験本番で考えて悩む事すらできないので、この3分野の「基礎を固める」事に集中しました。

電動機、発電機、変圧器の独学勉強法(動作原理を理解する)

未経験の領域をできるだけ短時間で実施するために、私は主にYouTubeにある動画を利用しました。

「電動機」「誘導器」「同期器」「変圧器」としてYouTubeを検索すると動作原理を解説している動画が複数見つかります。自動車用機器の「オルタネータ」の動画も勉強に有効でした。これらの機器は「磁界の変動」を利用している事が共通点であり、この「磁界の変動」の様子は紙面よりも動画の方が理解しやすい事に気づきました。特に3Dグラフィックスを用いて動作原理を説明している動画は、非常に良く理解できました。動画をアップロードしていただいた方々にお礼申し上げます。

上述の動画をよく見た上で、なお理解不足と感じた箇所はネットで追加検索して調べました。

(蛇足)電車の動力源として「VVVF+誘導電動機」が普及し始めた頃の話です。当時私は通信工学系(弱電)の大学生でしたので、(畑違いである)これらの機器で回生ブレーキを実現する、つまり「発電する」動作原理がイメージできませんでした。当時はインターネットの普及前なので大学図書館に数日通って本で動作原理を調べましたが、理解に難儀した記憶があります。今はネットがあるので、電検三種受験に限らず知識習得の効率は格段に良くなっている事を実感しました。

次に、通勤時間等の空き時間に「機器の動作原理を高校生に説明する」「説明に対する想定Q&A」を頭の中でイメージトレーニングして基礎知識を植え付けていきました。

電検三種「機械」試験用問題集、過去問

試験まで時間が無いので、電検三種受験用の問題集や過去問回答の勉強は断念しました。ただし、ご同輩の皆様はこれらを省略せず、十分な時間をかけて問題回答練習を実施していただく方が良いと思います。

「機械」科目の国家試験結果

60点以上で合格のところ、自己採点で65点でした。

留意いただきたい事項

基礎知識や適した勉強方法には個人差があると思います。くどくなりますが皆様が勉強方法を決める際は、ご自身の責任と判断で行っていただくようにお願いいたします。